のんびり備忘録

漫画と映画を中心に色々な感想を書いていきます。

【漫画『サムライせんせい』感想】

こういう偉人タイムトリップが見たかった!!!!!

 

●あらすじ・ある田舎町にちょんまげ姿のサムライが現れた!

獄中に放り込まれ、風前の灯の命だった幕末志士・武市半平太。しかし、ふと気がつくと見慣れぬ景色――彼はいつの間にか現代日本にタイムスリップしていた!学芸員で歴史に造形が深い老人・佐伯に引き取られ、半平太は彼が営む学習塾を手伝い始める。

幕末志士・武市半平太が現代文化に馴染もうと四苦八苦。笑いあり感動ありの偉人タイムスリップ物語!

 

 

作家買いです。偉人ネタをやっててすごく面白くて好きだった(「適当こころ」とか好きです)ので、大丈夫かなと思いつつ購入。詳しい人はわかると思うけど、その……イケメンがいっぱいいるような漫画雑誌を出してるような出版社から出版してたんですね。「え!?リブレ!?」つってびっくりしたわ。

話はもちろん、絵も表紙から分かるように骨太な感じの絵。かっこいいけど日本男児!って感じのかっこよさで、不審者を追い払うシーンも強さ的な意味で説得力があります。服装も今風アレンジとかはされてないので、歴史ものでそういうの気にしてしまう人はご安心を。

 

◆昔の人だって、人間だからコミュニケーションをちゃんと取る

タイムスリップものを読んで時々思っていたのが、自分の知らない世界に飛んで混乱したり警戒するのはわかるけど、「同じ国だし電気がなくてもカラクリの概念はあるだろうから、その道具の使い方わかるのでは……」「言葉通じるし、いい年してるんだから、コミュニケーション取ろうぜ……」と、タイムスリップした昔の人が、ただのアホの子になってしまうモノがあったりして、どうも選り好みしてしまっていた。歴史が好きだから余計に、ギャグや個性として生きていない、ただただアホな人になっている展開はすごく虚しさを感じていた。

 サムライせんせいは、そういった引っ掛かりをクリアしていたんです。戸惑いや警戒がありつつも、ちゃんとコミュニケーション取って「あ、この時代のこれににてるな」とか、順応しようとしてたし。

融通が効かないときもあるけど、「昔の人だから」じゃなくて「武市半平太の個性」であったり。(というか先にタイムスリップしていた坂本龍馬が順応性高すぎるw) 

 

◆現代側の人物の一人・サッちゃんがとても良い味を出している。

佐伯さんの孫の幼馴染ギャル・サッちゃん。良い子なんだけど、あたm……成績とか残念な子。歴史用語はもちろん、「高知ってどこ?東京?」とまで言い出す始末。先生!現代人はだらしなく見えるかもしれないけど、ここまでじゃないから!!!

半平太先生は真面目で、故郷に残した奥さんや同志たちへの心残り、日本を変える計画を果たすためにも帰らねばと、すごーく思い詰めてしまうタイプ。そんな場面でサッちゃんのおバカ発言は清涼剤。癒し。

 

坂本龍馬なら、こういう風に暮らしてそうだよね。

小学生の頃、「B●SARA」とか若い人の歴史ブームもない中、父が持っていた「竜馬がゆく」を何度も読み返していた。それくらいには坂本龍馬さんに思い入れがあります。やっぱり半平太も出るなら彼も出たよね!!しかも回想ではなく、先生よりもウンと先に現代に来ていた。楢崎梅太郎と名乗り(この時点で大興奮)、フリーランスとしてゴシップ系ライターをしている(著作『女子力アップのための⑩の方法』)。

また半平太と違う形で順応していて、実力と実績があれば、身元不明者で後ろ盾もない状態からフリーランスも有り得えるよなと。でも、やっぱり龍馬達の年齢かそれより若い世代でもフリーランスって選択肢はなかなかできないですよね。まだ新しいから、その働き方をするにも情報が少ない。

しかし、彼の新しいもの好きだった説というのも相まって「たしかに彼ならその選択をしそう……w」とニンマリしてしまいます。

 

 

◆4巻では現代・岡田以蔵編!

読めるタイミングがなかったので、最近4巻を買った(2017年3月発売)のですが、岡田以蔵の現代編だったんですね!1巻巻末で他にもタイムスリップした人物が描かれててチラリと出てたんですがね。

半平太や龍馬は運良く田舎町の理解あるおじいちゃんに拾われましたが、彼が落ちたのは東京。以蔵の元の世での拷問後のボロボロの身なりや機転のきかない性格だったのも相まって、不審者やホームレスとしか見られず誰も手を差し伸べてくれません。2人とは別パターン。

歴史好きなら一度は思うはず。「タイムスリップしたはいいけど、働いたり住んだりするのに必要な身分証明とかどうすんの?」。自分も調べたことあるけど、できる手続きとしては「記憶喪失で身元がわからないケースで手続き」が一番近い手続きになる模様。この漫画でもほぼ同じ考えだった。

以蔵はタイムスリップ直後、事故に遭ったこともあって運良く?病院に拾ってもらえることに。記憶が欠落していたのもあって、「身寄りがわからない人間」として福祉事務所の紹介で働くことになるが……。

3~4巻に掛けて描かれている幕末編で、大柄でおっとりしているが無自覚に殺りすぎちゃう怪しいヤツと描かれていましたが、現代にくるとなかなかやきもきさせてくれます。紹介先の掃除屋さんでも、同僚のヤンキーにいじめられてるしね……。

現代・岡田以蔵編もまだまだ序盤って感じで終わってるので、5巻が気になります。早よ!

 

◆映画化するんですね!?

 ドラマ化は知ってたのですが、映画とは……!4巻のことを調べたときに知りましたが、6月末からクランクインしているとのこと。

samuraisensei.com

オール高知ロケらしいので、作者のS介さんも現場見学に行ってるかもしれない……?(3巻あたりで高知に住み始めたらしいですよ)

キャスト・スタッフも一新されてて、ドラマの映画化ではなく新しい企画として立ち上がってるのかな。どうなるのか、色々と楽しみです。

 

ゆったりと神秘的な魔法の世界に浸る【漫画『魔法使いの嫁』感想】

面白い。普段ファンタジーを読まないのにハマっています。

自分がファンタジーものと言われて思い浮かべてしまうのが、バトルものかラノベとかによくあるコメディ。『魔法使いの嫁』もタイトルを見たときに「またそういうのかなー。でも人外×少女かー絵柄も繊細な感じで好きだしなー」と思いつつ、購入。

 

◆あらすじ

 少女を金で買ったのは、ヒト為らざる魔法使い……。

羽鳥チセ15歳。
身寄りもなく、生きる希望も術も持たぬ彼女を金で買ったのは、ヒト為らざる魔法使いだった……。

あらすじ引用元→http://books.rakuten.co.jp/rb/12690122/

  

主人公・チセが魔法使いになるため、魔法使い・エリアスをはじめ人々から様々な理を学んでいく。敵と対峙するシーンはあるもののアクションバトルなどはなく、謎の生き物との触れ合いや怪異に立ち向かいながら、ゆったりとお話が進んでいきます。

魅力的なのが、海外の児童文学や絵本を彷彿させる絵や言葉運び。鉛筆や万年筆のような温かみのあるタッチは、この世界観にとても合っています。

世界観も、絵本や民話で読んだような設定がたくさんあって、自分たちに馴染み深い植物や道具を使っているから、「この世界のどこかにあるかもしれない」というロマンがある。例えば、ハシバミの枝で古い石を12回叩いてケンタウロスを呼び出すとか、泉に浸かって魔力を回復するとか。(こちらは東洋オカルトファンタジーだけど)小説「陰陽師」のを彷彿とさせる。化物やモンスターだけではなく、そういった雑学的なものを好きな自分がはまらないはずがなかった。

 そして、それらに絡めた心温まる人間ドラマがとても素敵。印象的なエピソードを一つだけ上げるなら、老竜ネヴィンのお話でしょうか。

 

◆印象的なエピソード:老竜ネヴィン

◎初めて訪れる竜の巣(1巻第3篇)

教会から依頼を受け、竜たちの巣の様子を見に行ったエリアスとチセ。そこでゆっくりと死を待つ老竜・ネヴィンと出会う。竜の"共有する力"で記憶を読まれてしまったチセ。ネヴィンは優しく「飛べない君が飛ばなくてよかった」と言葉をかける。

「飛べない君には本当に飛ぶ楽しさを教えたほうが良さそうだ」。そうして、ネヴィンの空を飛ぶ記憶を見せてもらい、最期に夢の中で共に空を飛ぶ。チセの魔力のおかげで最期に飛べた感謝を述べ、死した後は樹木の苗床になるから、杖を作るときは私の樹を使ってほしいと告げ、ネヴィンは土に還っていく。

◎杖作りのお話(4巻第18篇)

 ネヴィンの体を糧に育った菩提樹で杖を作ったチセ。完成間際、死者と生者が会うことができる"境目"と呼ばれる空間へ。"縁の糸"でこちらへ招いたネヴィンと再会する。

浮かない顔をするチセに「練習に独り言を吐き出してみては」とネヴィンは。

いつ手放されても良かったのに、いつの間にか自分のことを話さないエリアルに寂しさを感じてしまった。興味がないままなら良かったのに――。

懇々と語るチセにネヴィンが言葉を掛ける。

 

ここが本当に好き。「あまり己を低く見ると、君に救われた我々をどうでもいいと言っているのと同じだよ」とか、考えるよりも先に涙が出てしまった。ネガティブとか強い自己否定とかをそっとほぐす感じで。でも、説教とか押し付けがましいとかないんですよね。こんな人と出会えたチセがとても羨ましい。自分も出会いたかった。

 

◆「魔法使いの嫁」になるまでの物語

タイトルが「魔法使いの嫁」で、最初でもエリアスが「嫁にするつもり」とか言ってるけど、今はまだまだ"師弟"な感じ。エリアスが魔法の師匠なのはいわずもがなですが、エリアスは共感する能力が欠けていたりするので、チセがそういったことを教える師匠になったり……。

お互いの過去・事情から最初は身を寄せ合っているような二人ですが、少しずつ信頼を重ねていって本当のお嫁さんになるのかな。と思います。今は冷静に文字を打っていますが、一瞬でも恋情が見え隠れし始めたら、トキメきで爆発して死ぬかもしれない。

 

 

◆不思議なことと名称のお話

……ところで、杖作りの話を書いていて思ったのが、"不思議なことにはコレという名称がないな"ということ。

上の文章で"境目"と呼ばれる空間とサラッと書いてるけど、本編ではこんな感じ。

突然あらわれる広い空間。

チセはブランコに乗っている。

ネヴィン「久しぶりだね。ちいさな魔法使い」

下を見ると、樹木でできた広場にネヴィンがいる。

チセ「貴方は……」

チセ、ブランコから降りて、ネヴィンに近づく。

ネヴィン「私の枝を杖にしてくれてありがとう。君の役に立てるといいんだが」

チセ「大事に使います。――ここはどこですか? どうして私と貴方はここに……?」

ネヴィン「その杖によって君と私に縁の糸が結ばれ私が望んだから。ここは境目。旅人と旅を終えた者、あちら側の者こちら側の者。決して交わらぬものが交錯を許される道」

空間に枝を広げる大きな樹木。

 ※4巻より文字起こし

一文にまとめるの大変だった!でも、「カンタンには説明できない不可思議なこと」っていうのが現れているようで、すごく好きなセリフたちです。

 

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はじめに

  • このブログについて

はじめまして。若野と申します。

漫画と映画を中心に、エッセイ、小説、アニメ、舞台etc……感想を書き連ねていきます。見てきた作品やイベントの備忘録。

新しいものもあれば、一昔前のものまで。面白い素敵と思ったものを好きなだけ。

「この作品気になるけどどんなやつなの?」「友達に好きな作品を進めたいけど、うまいことまとめてるブログとかないものか!」

そんな方たちの布教活動に届けばいいなと思います。

 

  • チョイスする作品の傾向がわかるかもしれない好きな作品

※割りと無節操なので、あくまで目安として参考にしてください。

漫画

ゴールデンカムイ(歴史冒険サバイバル)

甘々と稲妻(心温まる食卓ドラマ)

月刊少女野崎くん(すれ違いだらけなラブコメ

ドリフターズ(偉人たちが大集合な伝奇ファンタジー)

ハチミツとクローバー美大が舞台の恋愛ドラマ&ギャグ)

映画

ウォーターボーイズ(男子がシンクロに挑戦!?青春ドラマ)

ショーシャンクの空に(名作。冤罪で服役することとなった銀行員の物語)

はじまりのうた(大人の爽やかな青春ドラマ)